睡眠時無呼吸症候群(SAS)の適正な治療のために

以下のどの項目が欠けても、適正なSASの診療とはいえません。


SASの診断・治療に際し脳波検査を含む終夜睡眠ポリグラフィ(PSG)検査を行いましたか?

在宅での簡易型モニタでも睡眠時無呼吸症候群(SAS)の有無やおおよその重症度の傾向を見ることは可能です。しかしながら、簡易型検査ではいびきや無呼吸、低酸素の状態は確認できても、脳波検査を一緒に行わない以上睡眠そのものの状態を確認することは不可能です。また、SASの重症度が過小評価されてしまうこともあり、簡易検査はあくまでもSASの傾向を確認できる検査と考えた方がいいでしょう。
明らかに重症SASと診断されない限り、簡易検査のみでは保険診療でのCPAP(シーパップ)療法は認められていません。
中等症(1時間あたりの無呼吸低呼吸が40回未満)のSAS患者様が保険診療でCPAP療法を受ける場合にはPSG検査が必須です。

あなたは使用状況が記録されるCPAP装置を処方され、医師は使用状況を確認していますか?

CPAPは患者様一人ひとりに合った適正圧で、毎日4時間以上装着することにより本来の効果を発揮します。
したがって、使用状況の確認はCPAP治療継続に際して極めて重要な意味を持ちます。また、記録装置(CPAP内臓メモリやICカード等)に記録された毎日の装着状況を確認することで、CPAP・マスクを装着し治療を継続する上での細かな不都合や不具合を発見することが可能です。ささいな不具合が積み重なることでCPAP療法への不快感、ひいてはSAS治療継続への不満感を覚え治療の中断に至ってしまう可能性もあります。CPAP療法にまつわる不具合や患者様が抱く不満は医師がCPAPの装着状況・使用状況を把握することにより対処できるものがほとんどなのです。

医師は手術療法によりSASが完治しないことを説明しましたか?

CPAP以外にもSASに対する様々な治療法が試みられており、手術療法もその一つです。レーザーやラジオ波(高周波)を用いて外来で鼻や喉の通りを妨げている部分を焼き縮めたりする手術、肥大した扁桃を摘出する手術から、全身麻酔で下顎の骨を切って形を変える大規模な手術まで、その方法も様々です。
CPAP療法の場合、あらかじめマスクを装着した状態でPSG検査を行うことにより、無呼吸がどれだけの圧力で改善するのかを確認出来ますが、手術治療の効果は一様ではなく、実際の治療が完了するまではどれくらい症状が改善するのかはわかりません。手術によりいびきは改善しても無呼吸の回数、重症度の減少には貢献しない場合もあります。

医師は治療経過追跡のための診療予約をしていますか?

「マスクの形が今ひとつ合わない」「寒くなってからCPAPで鼻の奥や喉が乾いてしまう」「CPAPを使っているうちに邪魔に感じられるようになった」など、治療にまつわる状況は必ずしも一定しているとは限らず、CPAP療法を一度始めてもそのまま使いっぱなしという訳にはいきません。体調や気候、気温や湿度などCPAPの使用環境に影響を及ぼす要素がそのときに応じて変化します。
その多くは診察時にお話をお伺いし、詳細を把握することで対処することが可能です。そのためには定期的な診察が不可欠です。
保険診療によるCPAP療法継続のためには1回/月の定期通院が必要です。

金沢駅前ぐっすりクリニック
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